法華宗とは

法華宗は法華経に基づいて信心をすすめ、この世の中に真の幸福な世界を築くことを目的としています。
はるか遠い昔からの釈尊のご信仰を受け継いだ、宗祖日蓮大聖人の教えを、そのまま今に伝える唯一の宗派です。

日本の歴史上では、建長5年(1253)4月28日に、日蓮大聖人がはじめて
「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と唱えられたときに始まります。

日蓮大聖人が唱えられた「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」というお題目を
聞き、信じ、口唱し、多くの人々の心に、仏になるための種子(しゅじ)を植えていくことを信心の生活の根本としています。

本尊

本尊とは、信心の対象として、もっとも尊いものの意です。私たちの本尊は、「本門八品(ほんもんはっぽん) 上行所伝(じょうぎょうしょでん) の 南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」です。この「南無妙法蓮華経」は、一切衆生を成仏させるための根本の種子(しゅじ)であり、宇宙すべての功徳が納められており、今日のような荒廃した時代のために釈尊が上行菩薩に託された教えであります。そして、釈尊も宗祖もこれを本尊とされました。この「南無妙法蓮華経」の功徳のありさまを、仏様や菩薩様の姿として、日蓮大聖人によって、わかりやすく示されたものが、十界(じっかい)の大曼荼羅(だいまんだら)であり、私たちはそれを仏壇の正面にお掛けしておがみます。

経典

法華宗は、お経の王様とばれるほど尊い法華経(妙法蓮華経)をよりどころの経典としています。日蓮大聖人は、このお経は、釈尊滅後(末法)の人々を救うための教えであり、このお経こそ釈尊の真意を説くお経であるとされました。言いかえれば、釈尊はこのお経を説くために、この世にお生まれになったのです。ですから、この法華経は、今のわたしたちを救うための教えです。

お題目とは

法華経の経題をさすところから出たことばですが、いまは、「本門八品(ほんもんはっぽん) 上行所伝(じょうぎょうしょでん) の 南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」をいいます。宗祖は、釈尊もあらゆる仏様もこのお題目の信心・修行によって、仏になられたとされています。すなわち、このお題目は成仏するための唯一の種子(しゅじ)であり、成仏するのに必要なすべての功徳を納めている教えなのです。ですから、宗祖はこれを「母乳」にたとえられ、赤子(赤ちゃん)が母に抱かれて口に乳を含むとき、何も考えずとも自然に成長することにたとえられました。お題目は、決して、抽象的な真理とか法理とかいうものではなく、人間の心を育て向上させるための、生命力あふれる、慈悲そのものの教え、功徳のあつまりなのです。宗祖日蓮大聖人が亡くなられて以後、長い歴史の間に様々な解釈がなされ純粋のお題目でなく、濁りが生じるようになりました。そこで、それらと区別し、本来の宗祖のお題目であることを明確にするために、「本門八品上行所伝」と但し書きを付けざるを得ないようになりました。