月下美人が咲いた夜

こんにちは☺️副住職の義浩です。
日が落ちるのが早くなってきましたがまだまだ真夏。
この地域では全く雨が降らず夜まで水撒きの毎日です(*_*;

例年通りお盆時にはたくさんの方々がお墓参りに訪れ、心温まる光景でした✨
ご家庭によってご先祖様の迎え方はそれぞれですが、この地域では
ご先祖様を迎えるための目印となる
灯篭、汗を拭くタオル、足を清めるための水、サンダルなどを玄関前に用意するんですよ♪

迎える心、祈る心が形となって表れていてとてもあたたかな光景ですよね。
お寺の子マナ、月下美人とともに
茶飲み話では、お寺の出来事や境内の様子をお伝えしていますが、今回は個人的なことを書かせていただきます。
先月の茶飲み話に登場した我が家の愛犬「マナ」。
「マナ」はハワイの言葉で”奇跡✨”という意味がありこの名前を付けました😊
修行中の4年間、マナの存在に何度も助けられ、笑いも涙も、季節の移ろいも分かち合ってきた存在。
そんなマナも3年前から認知症になり昨年からは車いすを使っての歩行でした。

食欲は旺盛☺️、7月にはお檀家さんが営んでいる伊豆の宿にも行くことができ、体が不自由ながらもシニアライフを過ごしていました。
お寺の番犬そして大切な家族として共に過ごしてきたマナですが、
8月5日、安らかに旅立ちました。
お盆を迎える前のお寺が慌ただしくなる直前のこと。
まるでわたしたちが落ち着いて見送れる時を選んだかのようです。
我が家には妻の祖母が育てていた『月下美人』があります。
花の開花が見れるのは一晩のみ。
昨年は20年越しにやっと1輪が咲き、美しい姿を見せてくれました。

その月下美人が、マナの旅立ちの夜

なんと一晩で
8輪もの花を咲かせてくれたのです✨
今思えばマナが
「長い間ありがとう、これから旅立つよ」と語りかけてくれてたような、そんな気がします。
旅立ちを悲しませないように、最高の姿で私たちを見守ってくれたのだと思います。
いつも可愛がってくれた甥っ子は仙台で寮生活を送ってお正月まで帰って来られない予定でしたが
急遽3日間だけの休みができて仙台から帰省。
まるでマナは甥っ子の帰りを頑張って待っていたかのよう。
マナの語源通り、”奇跡”がたくさん起こったのです✨✨
そして朝1時30分、マナの呼吸の異変に気づき様子を見ていると妻が「もしかしてお別れの時が来たかも」と。
妻とマナの体を撫でながら、私はお経を唱えました。
そしてそのお経を聞きながらマナは息を引き取りました。
数日間、ご飯や水を拒み開かなかった口を最後に4回パクパクと・・・。
まるで
あ り が と
と言ってくれたような・・・。
眠るように、そして本当に安らかな表情でした。
たくさんの思い出と奇跡のような贈り物に感謝しながら
通夜と葬儀を師匠はじめ家族みんなで行い、涙と笑顔が入り混じるお別れでした。
若い頃は旧本堂の横で過ごしていたこともあり誰よりもお経を聞いていたマナ。

お盆前に旅立ったのはさすがお寺の子です♪
マナは『一日一生』という言葉にふさわしく、日々全力で18年半を生き抜きました。
その姿は、限りある命をどう生きるかを教えてくれたように思います。
私たち家族にとって「子ども」であり「先生」。
笑ったり、時には介護で大変な思いもしましたがそれも全て含め「家族の時間」であり大切なご縁だったと思います。
そんなマナとの18年半の日々は温かく、私たち夫婦にとってかけがいのない宝物です。
マナの死と同じ日、偶然にもお檀家様から石のタヌキの置物を頂きました。
マナが去ったあとにまるで新しい仲間が加わったかのようです。

新しく加わった石のタヌキと共に、私たちを見守ってくれていることでしょう☺️💕。
私たちは生きている限り悲しみや苦しみが無くなることはありません。
しかしその悲しみや苦しみがあるからこそ命の尊さや、当たり前と思っていたことがいかに有り難いことなのかと気づかされます。
見方を変えれば幸せはいっぱいありますね♪
これまで茶飲み話に度々登場したマナ。
マナとの別れは辛く寂しいですが、たくさんの方々に励ましのお言葉をいただき感謝でいっぱいです(^^)
これまで可愛がっていただいた皆さま、マナに変わってお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました🎵

今月のセラピ~は21日15時より(^^♪
どうぞお気軽にご参加くださいませ。
それでは皆様にとって素敵なひと月となりますように✨
南無妙法蓮華経